高等学校における課題研究の蓄積を活用できる仕組みの開発 ―高校生のための論文誌 “student” JAPANESE JOURNAL OF STUDENTS―

平成28年度12月の中教審答申で「観察・実験の結果などを整理・分析した上で、解釈・考察し、説明すること」などの資質・能力に課題が見られると指摘されている。このようななか、我々は、次の(1)と(2)に問題点に着目した。(1)探究活動の過程:探究活動を始めるにあたって欠かせないのは、先行研究の調査である。これまでに他の高校生がどのような研究をしてきたかを調査することは欠かせない。(2)成果を表現する力:学術研究では、研究成果の最終的なアウトプットは学術論文である。高校においても、口頭発表やポスター発表などを通した発表だけではなく、研究成果をレポートとしてまとめることは重要である。我々は、次の①〜③を目的とした、  高校生のための論文誌student編集部を発足した。

① 研究論文のアーカイブス 高校生向けにいくつかの論文コンテストが存在する。この多くは一般公開されず、公開されていても検索が難しい。これらを高校生の先行研究の調査ソースとして活用することは難しく、検索性の高い論文アーカイブスが求められる。これは、生徒のポートフォリオとしての活用も可能だ。また、高校生の研究成果の著作権を守るという点も重視している。 ②研究事例のアーカイブス SSHでは各校で指導経験を蓄積しており、SSH校間での情報交換は活発に行われている。しかし今後、特定の高校だけではなく、あらゆる高校で探究活動の指導方法の蓄積を活用できる仕組みが必要だろう。studentは、教員が参照できる、研究事例のアーカイブスとしての利用価値も重視している。 ③ フォーマットを統一することで、表現方法を標準化 各校で実施されている課題研究などの探究活動を指導する際、どのようなフォーマットでレポートをまとめさせるのかは、高校によってまちまちである。論文の基準があれば、研究成果の表現方法の指導において、標準化に繋がると考えられる。

山口 悟、渡邉 洋美
茨城県立日立第一高等学校 〒317-0063 茨城県日立市若葉町3-15-1
國府田 宏輔
茨城県立太田西山高等学校 〒313-0007 茨城県常陸太田市新宿町210