アルギン酸ナトリウム水溶液にエタノールを加えてからゲル化させると,ゲル粒子が水溶液の表面を自発的に運動する。この現象について次の2点について調べた。1点目はゲル粒子の動きと表面張力の関係ついてである。これを実験的に調べるとエタノールには水溶液の表面張力を小さくする働きがあり,ゲル粒子周囲の水溶液の表面張力の差によってゲル粒子が動くことがわかった。2点目はゲル粒子の運動の軌跡や速さについて動画解析を行なった。するとゲル粒子内のエタノール濃度が大きいほど速さは大きくなった。また時間の経過とともにその運動の軌跡はさまざまに変化していくが,その途中で特徴的な軌跡が少なくとも3つはあることがわかった。そして速さは徐々に小さくなり,最後は速さが間欠的に変化し,不規則な軌跡をとる運動を経て停止することがわかった。
柴間 龍輝,桒原 大知,清川 嶺士,岩田 海翔,小野 倖輝,大橋 拓海,菊池 聖騎,青木 翔,西野 航,佐藤 雄弥,堀内 健太郎,吉田 琢海,沢畠 博之*
茨城県立日立北高等学校 科学部 〒319-1411 茨城県日立市川尻町6-11-1
(2019年11月21日 受付;2019年12月2日 受理)