メイラード反応におけるアミノ酸置換基の影響

 メイラード反応とは,糖とアミノ酸を加熱することにより褐色物質のメラノイジンと風味成分が生成される反応である。本研究から,その第一段階として,複合反応であるメイラード反応に対し,擬一次反応を仮定したメイラード反応速度定数の算出方法を確立することができた。その際,反応の初期段階においてアミノ酸のアミノ基中の窒素原子が糖に結合する反応が律速段階であり,アミノ酸のa炭素上のプロトン化されていないアミノ基の存在が反応速度に大きな影響を与えることが示唆された。
 アミノ酸分子中のアルキル基の評価から,それはα炭素上にあるアミノ基の窒素原子の電子密度に影響を及ぼすことがわかった。その結果として,アミノ基の求核剤としての働きが強まり,シッフ塩基形成過程が促進される。さらに,アルキル基は立体障害と材料性の面でもメイラード反応に深く関与していることがわかった。

富田 季里呼 ,松田 樹生也 ,山口 悟 †*
茨城県立水戸第一高等学校 化学部 〒310-0011 茨城県水戸市三の丸3-10-1
(2019年8月10日 受付;2019年8月19日 受理)