落葉を利用した鉾田川の脱窒に関する研究

  鉾田市を流れる鉾田川は現在,窒素濃度が環境基準値を超過し,大きな問題となっている。そこで本研究では,鉾田川の窒素濃度を減少させることを目的とした。鉾田川全域の水質調査結果から,窒素濃度の低い支流付近は草木が茂り,川底にたくさんの落葉が堆積していることが分かった。このことから落葉は自然の浄化作用において重要な役割を果たしていると考え,落葉を利用した窒素濃度減少の検討を行った。その結果,落葉はNO2濃度とNO3濃度を減少させる効果を持つことがわかった。また,実験に使用したパックテストは分光光度計を用いることで定量化できることがわかった。さらに窒素濃度を減少させる生物の解明の実験から,NO2濃度とNO3濃度の減少は,落葉に寄生する脱窒菌による脱窒効果であることが示唆された。

塚本 和貴,山口 悟†*
茨城県立鉾田第二高等学校 生物部化学班 〒311-1517 茨城県鉾田市鉾田1158
(2019年3月1日 受付;2019年3月28日 受理)