融点降下に与える分子構造の影響

 融点降下とは、異なる成分が混入した不純物質における融点が、純物質と比較して低くなる現象である。本研究では、分子構造という新たな視点から融点降下を引き起こす要因について考察することを目的とした。
 実験では、ベンゼン環構造を持つ物質を用い、双極子モーメントの有無や置換基(水素結合基であるカルボキシ基)の効果を考慮し、6種類の物質を選択した。これらの物質から2種類を選択し混合した混合物の融点を測定した結果、融点降下という現象には分子構造や化学反応が深く関与していることが明らかとなった。

戸張 衣純、堀口 誠太、山口 悟*
茨城県立日立第一高等学校 化学部 〒317-0063 茨城県日立市若葉町3丁目15番1号
(2023年9月26日 受付;2023年11月1日 受理)