静電気防止剤の静電気防止効果に関する研究

 毎冬、静電気の発生を防止するために色々な場面で静電気防止剤が使われている。静電気防止剤の主成分は界面活性剤であり、衣服に塗布することで表面に界面活性剤の膜が形成される。空気中の水分子が界面活性剤と結びつき静電気の帯電が防止される。その結果、静電気を原因とする不快な現象が減る。しかしながら衣服の素材の違いで静電気がどの程度防げるのかの詳細はわかっていない。
 そこで本研究では、衣服の素材の違いにより静電気防止剤の帯電防止効果に違いが生じるのかを明らかにすることを目的とした。文献調査より、静電気防止剤は界面活性剤だけでなく親水基を持った帯電防止剤の2種類から構成されていることがわかった。さらに、市販の静電気防止剤は、布の種類や布の表面状態が異なっていても、親水性の多層膜を形成することにより、静電気の帯電防止作用を示すことがわかった。

小尾 美由紀、松尾 健司、坂口 巧起、山口 悟*
茨城県立日立第一高等学校 〒317-0063 茨城県日立市若葉町3-15-1
(2023年10月19日 受付;2023年10月28日 受理)