・分子間力:分子間力と分子間相互作用

山口 悟
茨城県立日立第一高等学校 〒317-0063 茨城県日立市若葉町3丁目15番1号

その1 分子間相互作用
 分子間力とはいったい何なのでしょうか。高校化学の教科書や資料では,ちゃんと書いてあるのか無いのか,正直わかり難くて困りますよね。分子間力を理解する第一歩として,分子間相互作用を紹介します。

その2 分極と双極子モーメント
 分子間相互作用を考えるための重要な内容として,分子の“分極と双極子モーメント”があります。高校の教科書や資料では必ず取り扱われている内容なのでわかっていると思います。今回は,“等核2原子分子”や“異核2原子分子”にも触れてちょっとだけプラスして講義します。

その3 誘起双極子モーメント
 双極子モーメントと似たもので“誘起双極子モーメント”というものがあります。分子間相互作用を理解するためにはそれが必要です。数式を使った細かい議論は抜きにして誘起双極子モーメントを直観的に考えてみましょう。 

その4 分子間力とファンデルワールス力との違い
 分子間力はファンデルワールス力と何が違うの?一緒なの?と疑問に思ったことはありませんか。というか,高校化学の教科書や資料には分子間力≒ファンデルワールス力という意味合いで書かれているように感じるのは私だけではないと思います。そのあたりを明らかにしましょう。ついでに,クーロンポテンシャルとクーロン力との関係も直観的に理解してください。 

その5 ファンデルワールス力とは
 ファンデルワールス力を構成する3つの力について説明しています。その3つの力とは、配向力、誘起力、分散力です。これまで出てきた用語がほぼ全部出てくるので、復習しながら読みこなしてください。分子間力の本質の部分なのでゆっくりじっくりとどうぞ。 

その6 水素結合って何だろう
 高校化学では水素結合する物質として、水、フッ化水素およびアンモニアが取り上げられています。教科書や資料にもあるように水素結合が原因でなぜ沸点は異常に高くなるのか、その理由を結合エネルギーや水素結合の数、そして分子構造から説明したいと思います。そもそもよく考えると“電気陰性度の大きな原子間にH原子が介在する”のが水素結合なら、O原子、F原子およびN原子に限定して説明されるのはどうしてなのかと疑問に思ったことありませんか?そのあたりも明らかにしましょう。