動植物性油脂から合成された界面活性剤の洗浄力に関する研究

 近年、SDGsを意識した商品開発が重要視されている。一般に販売されている合成洗剤は化石燃料を使ったものがほとんどであり、SDGsの観点からも化石燃料を使わない自然由来の洗剤を開発することが重要である。そこで本研究では、洗浄力の高い自然由来の洗剤を提案するために、身近にある様々な種類の動植物性油脂から界面活性剤を合成し洗浄力を評価した。8種の動植物性油脂由来の界面活性剤のCMCを評価することにより…

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食用油の加熱劣化に対する新しい評価方法の開発

 “とんかつ”などの揚げ物を作る際に大量の食用油が必要となる。食用油を定期的に交換しないと,その油の品質が低下し風味や触感が悪くなり美味しいとんかつではなくなってしまう。さらに,この様な状況が進行した食品を摂取した場合,健康に悪影響を及ぼすようになる。したがって,美味しくて安全なとんかつを食べるためにも,油の的確な交換のタイミングを知るための,簡単にできる油の劣化程度(劣化度)の評価方法が必要であ…

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ドープ型ZnS:Mn2+ナノ蛍光体の蛍光メカニズムの解明

ナノクリスタル蛍光体(ナノ蛍光体)は,耐退色性と蛍光寿命に優れ,蛍光波長のチューニングが容易であることから,次世代のフォトニクス材料として注目を集めている。しかしながら, ナノ蛍光体の詳細な蛍光メカニズムは未だ明らかになっていない。そこで本研究では, ZnSを母体としMn2+をドープしたナノ蛍光体(ZnS:Mn2+ナノ蛍光体)を構成する各要素が蛍光メカニズムにどのように関与しているのかを評価した。…

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アボガドロ定数の再現値を用いた金属劣化の評価

 錆や傷などの金属劣化を評価する方法として,破壊法と非破壊法がある。しかしながら,これらの方法は非常に難解であり,高度な専門性が必要であるため,より簡単な金属劣化の評価方法が必要であると考えられる。 最近,高校の化学の授業の中でアボガドロ定数“NA”について学習した。NAを再現する実験はいくつかあり,NAの再現値“NA’”は純粋な物質であれば,どのような物質であっても,その値は同じ値“6.02×1…

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サリチル酸/メタノール系における安全なサリチル酸メチルの合成

 エステル化反応の代表的な触媒として濃硫酸がある。濃硫酸には酸触媒作用と脱水作用があり,エステル化反応において,その2つの作用は必要不可欠である。酸触媒作用はプロトンの働きによりエステル化を促進させ,脱水作用はエステルが生成される方向に平衡を移動させる。しかし,濃硫酸は扱いが難しく危険である。そこで本研究ではサリチル酸/メタノール系における安全なエステル化合成の確立を目的とした。その結果として,濃…

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エタノールを含むアルギン酸バリウムゲル粒子の自己駆動運動

 アルギン酸ナトリウム水溶液にエタノールを加えてからゲル化させると,ゲル粒子が水溶液の表面を自発的に運動する。この現象について次の2点について調べた。1点目はゲル粒子の動きと表面張力の関係ついてである。これを実験的に調べるとエタノールには水溶液の表面張力を小さくする働きがあり,ゲル粒子周囲の水溶液の表面張力の差によってゲル粒子が動くことがわかった。2点目はゲル粒子の運動の軌跡や速さについて動画解析…

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酸化亜鉛の光触媒作用による有機化合物の光分解反応

代表的な光触媒物質である酸化チタン“TiO2”は除菌・浄化を目的として手術室の壁や建物の外壁などと,最先端の分野から身近なものにまでその利用が進められている。一方,TiO2と同じようなバンドギャップを持つ酸化亜鉛“ZnO”の光触媒作用はあまりわかっていない。そこで本研究では,光触媒作用のうち光分解作用に着目し,ZnOはTiO2と同じような光分解作用を有するかを評価した。その結果,酸化チタン(アナタ…

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黒色付き糊の作製に関する研究

 文房具店では様々な種類の糊が販売されている。その中でもスティック糊は,ケースや糊自体の色がとてもカラフルなものがたくさんある。しかしながら,かわいらしいカラフルな色付き糊はお店で見たことはあるが,男らしい黒色の色付き糊を見たことはない。そこで本研究では,初期段階として糊の中で最も構造が単純なチューブ糊である“でんぷん糊”に着目し,黒色付きでんぷん糊の作製方法の確立を目的とした。 色相環の補色の関…

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メイラード反応におけるアミノ酸置換基の影響

 メイラード反応とは,糖とアミノ酸を加熱することにより褐色物質のメラノイジンと風味成分が生成される反応である。本研究から,その第一段階として,複合反応であるメイラード反応に対し,擬一次反応を仮定したメイラード反応速度定数の算出方法を確立することができた。その際,反応の初期段階においてアミノ酸のアミノ基中の窒素原子が糖に結合する反応が律速段階であり,アミノ酸のa炭素上のプロトン化されていないアミノ基…

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酸塩基滴定に関する用語の考察

山口 悟茨城県立水戸第一高等学校 〒310-0011 茨城県水戸市三の丸3-10-1 文献調査と実験及びコンピュータシミュレーションから、高校の教科書や資料に掲載されていない“多価酸→1価塩基”の滴定曲線を明らかにし、中和滴定に関する適当な用語を調査・検討した。 本研究は、本校の化学部員である高校生が主体となって行った研究である。高校生が研究活動に取り組み、高校生の視点から教科書や資料をどのように…

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