熱力学的観点からのハロゲン化アルカリ塩の溶解度に関する考察

 一定温度、一定圧力の下で、溶質が一定量の溶媒に溶ける限界量を溶解度という。本研究では物質の溶解現象が、物質のどのような性質により引き起こされるのかを明らかにするため、結晶構造が単純で1価の単原子陽イオン・陰イオンから成るハロゲン化アルカリ塩のイオン結晶に着目した。溶解現象を、ハロゲン化アルカリ塩が溶解する際に生成する陽イオン・陰イオンの熱力学的安定性の観点から評価した。その結果、熱力学的指標が溶解度及び構成する陽・陰イオン半径と相関があり、ハロゲン化アルカリ塩の溶解度は構成する陽イオンと陰イオンのイオン半径に深く関係することが示唆された。

増田 青葉、山口 悟*
茨城県立日立第一高等学校 化学部 〒317-0063 茨城県日立市若葉町3-15-1
(2022年8月2日 受付;2022年10月18日 受理)