酸化亜鉛の光触媒作用による有機化合物の光分解反応

代表的な光触媒物質である酸化チタン“TiO2”は除菌・浄化を目的として手術室の壁や建物の外壁などと,最先端の分野から身近なものにまでその利用が進められている。一方,TiO2と同じようなバンドギャップを持つ酸化亜鉛“ZnO”の光触媒作用はあまりわかっていない。そこで本研究では,光触媒作用のうち光分解作用に着目し,ZnOはTiO2と同じような光分解作用を有するかを評価した。その結果,酸化チタン(アナターゼ型)“TiO2-A”や酸化チタン(ルチル型)“TiO2-R”より,ZnOは大きな光分解反応速度定数を持つことがわかった。したがって,“ZnO”は“TiO2-A”や“TiO2-R”より,大きな光分解作用を有することが示された。

東ヶ崎 駿,山口 悟†*
茨城県立水戸第一高等学校 化学部 〒310-0011 茨城県水戸市三の丸3-10-1
(2019年10月1日 受付;2019年10月26日 受理)