地球温暖化に関する理論的研究

 近年,地球温暖化が問題となっており,年々深刻化している。その地球温暖化を引き起こす原因と考えられる二酸化炭素“CO2”に由来する大気スペクトルの4 mm付近の幅の広い赤外線吸収帯に着目し,この特異的な吸収帯がCO2のどのような性質により引き起こされているのか,理論的に調査した。その結果,CO2単量体では,赤外線吸収波長が一つの吸収線でしかなく,幅の広い吸収帯は確認できなかった。そこでクラスターに着目し,CO2クラスターを二量体から六量体まで評価した。それらの振動計算の結果から,CO2単量体では1つであった吸収線が,CO2六量体までを合計すると21本まで増加した。CO2クラスターのサイズを大きくすることにより,大気スペクトルにあるような線幅の広い吸収帯ができることがわかった。したがって,CO2クラスターが赤外線吸収波長に影響を及ぼし,地球温暖化の原因の一つとなっていることが示唆された。

クストディオ デラクルス ヤンカルロス ホスエ,牛田 大暉,原田 和明,山口 悟†*
茨城県立鉾田第二高等学校 生物部化学班 〒311-1517 茨城県鉾田市鉾田1158
(2019年6月23日 受付;2019年7月2日 受理)