振動エネルギーは再生可能エネルギーの一つであり,身近には溢れているが,現状ではその多くが活用されていない。そこで本研究では,身近で発生する振動エネルギーの中でも特に,風によって揺れる木々から振動エネルギーを効率的に活用するための風振動発電機を開発することを目的とした。
風振動発電機を開発するために,電磁誘導を用いた風振動発電システム,発電方法,発電量の評価方法,および風振動発電機の設置場所を確立した。発電量は蓄電されたキャパシタの電気量で評価した。全波整流回路の利用により,蓄電効率が約2倍に向上した。また,コイル内の磁石を移動させる速さと磁石の往復数の増加により発電量は増加した。電荷が溜まるにともないキャパシタの電気量は増加し難くなることがわかった。コイルの内径と磁石の外形の差がなくなると,磁束の変化が大きくなるため,発電量は増加することがわかった。両端に集中させたコイル構造(BEC構造)を利用することにより,約10倍の発電効率が得られることがわかった。風振動発電機の木における設置場所としては,色々な方向を向いている枝において,横向きに伸びた枝に設置することで,効率よく発電できることが示された。
小田金 大輝†,根本 映†,山口 悟†*
†茨城県立水戸第一高等学校 化学部 〒310-0011 茨城県水戸市三の丸3-10-1
(2019年4月24日 受付;2019年5月22日 受理)